みんなコンピューターゲームが大好きです！アプリやウェブ、コンソールで遊べる、シューティング、レース、ファンタジー、シミュレーションなどのゲームが溢れるハイテク社会の中で、時には原点に立ち返ることも必要です。

考えてみてください。歴代のゲームの中で知名度が最も高く、繰り返し遊ばれているゲームは何だと思いますか？今、あなたが今見ているこのウェブサイトを考えれば、その答えに驚くことはないでしょう。それはもちろん、カードゲーム「ソリティア クロンダイク」です。1990年に発売されたWindows 3.0以降のOSが搭載されているすべての端末にデフォルトのゲームとして提供されている「ソリティア クロンダイク」は、数十年もの間プレイが無料です。現在でも、ほとんどのOSにはこのゲームのほか、「スパイダー ソリティア」や「フリーセル」など、カードを使ったシンプルなゲームが搭載されています。

多くのコンピュータユーザーやゲーマーにとって、マイクロソフト社とソリティアは切っても切れない関係にあります。ソリティアで時間をつぶすことを考えることなく、Windowsの体験を想像するのは難しいでしょう。しかし、このゲームにまつわる物語は、さらに歴史を遡ります。このゲームはマイクロソフト社が開発したものではありません。中世から存在していたと考えられています。もちろん、当時の「ソリティア」はコンピュータや機器ではなく、本物のトランプを使用してプレイされていましたが、それ以外の点では現在の遊び方とほぼ同じでした。マイクロソフト社自らが考案したわけではありませんが、コンピュータを使ったゲームとして生まれ変わらなければ、その知名度は低下していたでしょう。

さて、簡単なシンデレラストーリーを... Windows版ソリティアの生みの親はマイクロソフト社のインターン生であるウェス・チェリー氏だった！1988年、彼はシンプルなデジタルカードゲームを作ろうと、「ソリティア」のコンピューター版を開発したところ、これが大当たりしました！このゲームを見せたところ、同僚が非常に関心を持ち、まだ開発途中であったWindows 3.0に、このゲームを追加することになったのです。もう1人、このゲーム現象を生み出した重要な人物として、初代のカードデザインを担当したスーザン・ケア氏の存在があります。面白いことに、彼女は最初のApple社のロゴのデザイナーでもあるのです！

この単純な1人用のゲームが、これほどまでにコンピュータユーザーの心を打つとは、誰も予想していなかったでしょう。ソリティア現象は、普通のPCゲーム（ましてや無料のゲームで！）が流行した初の例であり、マイクロソフト社の喜びは大きなものでした。マイクロソフト社にとってこの人気の高さは、これ以上ないほどの完璧なタイミングでした。何と言っても、この頃はコンシューマー向けのPC市場が本格的に立ち上がりつつあった時期だったのです。各社が、パソコンの普及を目指した売り込みを展開している中、このシンプルなゲームが極めて重要な役割を果たしました。初めてPCを購入するユーザー層が拡大しつつある中、わかりやすいコンセプトのカードゲームが案内役となることで、マイクロソフト社は簡単な方法で新しいユーザーにキーボード、マウス、画面というインターフェースを紹介することができたのです。当時ゲームはもちろん、仕事用としてもこのようなデバイスを使った経験がある人はほとんどいなかったことを考えてみてください。コンセプト全体が画期的に感じられました！

さらに、パソコンでゲームをするという目新しさも相まって、利便性も向上しました。時間をかけて自分でゲームを設定することなく、やることと言えば数回のクリックだけ。一瞬で自動採点されるため、手動で採点する必要もありませんでした。便利さを求める人々と、それに加えて当時としては群を抜くビジュアルによって膨大な数のゲームを始める人々が生み出され、現在でも魅了され続けているのです。

ソリティアは家庭で愛されただけでなく、世界中のオフィスで生産性を低下させたという冗談も良く言われていました。今でも娯楽文化として、ソリティアのゲームが開いている画面を見られるとすぐに、仕事をサボっていると見なされてしまうのです。これには完全に同意しますけどね。現在ではあまり見かけなくなりましたが、「ソリティア」は一時期Windowsで最も広く使われていたプログラムでした。1990年代においては、時々パッと事務所内を見渡しただけでも同僚のうち誰か一人は勤務時間中にソリティアゲームをやっていました。

さて、ソリティアで遊んでいる人が怠け者だと悪評を立てる前に、興味深い調査結果を見てみましょう。ゲームが生産性の低下につながるという逸話や俗説は別として、実はそうでもないことが分かっています。ある有名大学が、会社のパソコンでソリティアを遊ぶことを許可された社員の生産性の調査を行いました。果たしてその結果は？結果は、ゲームをすることを許可された社員は、他の社員よりもわずかに生産性が高いことを明らかにするものでした。ゲームはちょっとした休憩や、ゲームの長さに応じて限られた気晴らしの時間を与えてくれるとものだと考えられます。集中した状態のまま、しばらくの間脳を別のことに集中させることができ、その後、ユーザーは新たなエネルギーで仕事に戻ることができるのです。